「小和田くんは意地悪だけど…本当はすごく、いい人ですね!」


初めて言われた。

「…意地悪は余計だけどね…」

「明日学校行きましょうね!」


「やだ!」





その日は一日中、戸野に感謝した。


「送ってくれてありがとうございました。」

「家、大丈夫か?」

「はい!心配しないで下さい。わたし強いですから!」

そう言って笑った。


「戸野!今日はありがとな!…これ。」

戸野が服で悩んでる間に、買った白いワンピース。


「今日のお礼。」

「…かわいい。ありがとう!!」

「…じゃぁな!」

「ありがとうございました!…明日ね!」


何も言わないで手を振った。






次の日、
勇気を出すとはこうゆうことだと知った。

俺は今、学校の扉の前にいて、そのドアを開けた。


「波!?」

荒谷が飛びついてくる。

「なんだよ!」

「寂しかったんだぞ!このヤロー!」


戸野に目をやると、笑っていた。



きっと戸野のおかげだ。

初めて…学校に来てよかったと思えたから。



早く慎也とのことを忘れよう…
そう思ってからの、



時間は早かった。