「でもこうゆうのは、慎也と行きなさい。」

「…それは、慎也くんがわたしを好いてくれるからですか?」

「…そう。たまにお前から誘ってみれば?…嬉しがるよ。」


自分で言って傷ついた。


「あの…すごくすごく嬉しいんですけど…わたし、どうしたらいいか分からなくて…遠慮しちゃうんですよね…家のことも相談しにくくて、ほら…慎也くんチは家と違って家族円満だから……きっと、分からないだろうな?って。」

「アイツは分かってくれるよ。一生懸命なのわかんだろう?」

「はい…でもわたし、好きとか難しくて…」

戸野は顔をクシャクシャにして、髪もボサボサにする。


「…その顔やめろ。キモい…」

俺の腕をはたく。

おかしくて、少しでも楽しいと思った自分がいた。


「まぁ、ゆっくり考えろ!…そのうち気付くもんだって!」

うなづく。