慎也の目を見れば分かる。


アイツは今怒ってるんじゃない。
悔しいような目をしていた。


つぎの行動は分かってた。






慎也は俺に殴りかかった。

「キャー!」

近くにいた女子は叫び、男子は驚く。


「なんでこんなことばっかすんだよ!!」


慎也は叫ぶ。


俺は溜まったことを吐き出す。


「お前にはわかんねーよ!!」

慎也を殴った。



それでも慎也は、俺の胸ぐらを掴む。


「やめろやめろ!」

荒谷が仲裁に入るが、俺と慎也は止まらなかった。


「ちょっと…誰か小塚呼んで!!」

荒谷が言ってるのが聞こえる。


それでも、俺と慎也のケンカはおさまらない。


2、3発殴られて、

2、3発殴って…



小塚と荒谷、中学が一緒だった遠野が止めに入った。

「やめろー!何やってんだぁお前らぁ!」

小塚は、真ん中に立ち、俺と慎也を見た。


慎也は冷たい目で、俺を見た。


「お前なんか…」

その先は、口だけしか動かさなかった…


『いなければよかった。』



そう言って、5組の教室を出て行く。

「あ!こら、逃げるな!」


小塚は慎也たちを追いかけた。