3年5組のドアに行くと、荒谷がいた。


「波いる?」


荒谷はいつもと違う態度に少し驚いていたようだ。

「う、うん…あそこ。どうした?」

荒谷の話は聞かず、オレは真っ先に波の席へとむかった。




「波…」

険しい表情に、波は驚かなかった。

「どうした?」

「こんなこと…言いたくないんだけど…後藤…」

言葉がつまる。

「何?」

「後藤のこと最初から好きじゃなかったって本当?」




ダイの嘘だと…心の中で唱えてた。


でも、波の口からでたのは違う言葉だった。




「本当。」






聞きたくなかった。



「…なんで好きじゃないのに付き合ったりしたの?」

「…少し好奇心ってのもあったかも。あとは…好きなヤツの気をひくため。」

「気をひくために、後藤を利用したのかよ!?」

「そうかも…」

「なんだそれ……人の気持ちなんだと思ってんだよ!!」


大声を出してしまった。