まだ波の文句を言うダイにあきれたオレは、教室に入ろうとする。

「小和田、別れるとき…後藤に言ったんだ。……最初から好きじゃなかったって!…他に好きなヤツがいるって。」

いい加減イヤになる。


「なぁ!ダイいい加減にしろよ。」

オレは、キレ気味にダイに近寄った。

「ホントだよ!本人に聞いてみろよ!!」

「…好きじゃなかったら、付き合わないよ。」

「だからおかしいんだ。最初から好きじゃないなんて変だろ!?考えてみろって…お前が好きになったやつはみんな小和田が好きだった。山川も一之瀬も。…でも、告白は断った。俺は…お前の邪魔してるようにしか思えねーんだよ!」


そうだった…

忘れてた。

波は元から女と話す方じゃない。
なのに、オレが好きになった人には喋ってた。


ダイを見ると、

「聞いてこい。」

そう言った。


オレは波のいる教室に行く。

もしそれが本当だったら、許せない。