あまり乗り気じゃない荒谷を、無理矢理連れて行った。

歌を熱唱してるやつ。
女とイチャついてるやつ。
いろんなやつがいる。



「バスケ部だっけ?」

隣の女の子が話しかけてきた。
化粧ばっちりの少しポッチャリしてる子。

「あ、はい。」

敬語になってしまう。

そのとき、トイレから戻ってきた戸野さんを見かけた。

端にキョロキョロしながらチョコンと座って、フライドポテトを食べた。

「バスケって、なかなかキツくね!?」

隣の女の子は、喋り続ける。
戸野さんが気になって、この子どころじゃなくて、向こうばっかり見てしまう。


「てか、聞いてる!?」

「え!?あ、うん。」

そう言いながら、目は戸野さんを見てた。

戸野さんが席を立ち、長谷部に耳打ちして部屋から出ていった。

俺は追いかけるように、後を追う。

「オレも帰るわ。」

歌っている荒谷に言って部屋を出た。