少しためらう。


「呼び捨てでいいよ。」

「そんな!わたしには呼べません…」

「それじゃぁ呼び捨てじゃなくていいから下の名前で呼んで!……言ってみ?」


「…慎也、くん。」


「はい。」

オレか笑うと戸野さんも笑った。


あー好きだな。って思う。


告白してからまだ、返事は聞いていない。
だって、答えは決まってる…


「戸野さん。オレは気長に待つね!好きになってくれるまで…」

また出た。
オレの口はミラクルだ。






戸野さんの家の前に着く。

「ありがとうございました。」

丁寧に頭を下げる。
オレもつられて頭を下げた。


「じゃぁまた、月曜日ね!」

オレがそう言うと、戸野さんは家に入って行った。




スキップをして、自分の家に帰る。


前から女子高生が歩いてくる。街灯で顔が見える。

見覚えがある。


「え!?…後藤?」

彼女は顔を上げる。


「やっぱし!後藤だ!」

懐かしい…中学以来だった。


「サト?」

サトとは、中学のときのあだ名だ。

「久しぶりだよね!」

オレは後藤に近寄った。