「あたし…一人で…バカみたい…」

「バカじゃない。俺が最低なだけだよ?…俺はお前のこと利用したんだ。頭で悪いって思ってても…取り返しのつかないことした。」

「なんで…あんたみたいの好きになっちゃったんだろう…」


違う…俺が慎也との仲を邪魔したから、後藤は俺を好きになったんだ…

全部、俺が悪いの。


「誰なの?…好きな人って…」

「…言えない…」

「…言わなきゃ納得しない。…最後のわがまま聞いてよ。誰なの?」


「言わなきゃ別れないの?」

「…うん。」

「…わかった……しん、」




「ダメー!!!」

大きな声が路地に響く。

ていうか、かなり響いてる。

俺と後藤は振り向く。


そこには戸野がいた。


「何してんの!?」

戸野はズカズカ歩いて来て、俺を押した。


「言っちゃダメ!!先に言う人が違う!」

「は?」

「最初に伝えなきゃいけない人がいるの!」


何言ってんだコイツは…