「ごめん…今日やっぱなし。」

「えぇ!?なんで!」

徳田が言う。

「また今度!」


小林は俺の顔を見て、何か察知したように笑う。


「徳田、今日は諦めよ!次は波、絶対だかんな!」

「おう!悪いな。」

小林は徳田を引っ張って連れて行った。



「後藤?」

後藤は振り返る。


「波…」

見慣れない制服に、他の生徒が見ていく。


「何してんの?」

「波待ってたの。」

「今日は帰って…」

「こうでもしなきゃ会ってくれないじゃん!…ちゃんと話たかったの。」

「…わかった。でもここじゃ、ちょっと…」



俺たちは、学校近くの細い路地に入った。