「立派じゃない…俺は最低なんだ。」


「…どうして?」

「今、何もかもが嫌なんだ。…みんなが嫌い。…学校も友達も…母親も。それに、慎也も…」


「…人を嫌いなだけで、最低なんて決めちゃダメよ。…でもあれね、慎也が嫌いなんて新鮮ね!」

新鮮!?
予想もしてない言葉に驚いた。

「ずっと一緒にいたけど、波ちゃんと慎也、そういったこと言わなかったから。ムカつくとか…嫌だとか。ケンカもしたことなかったし。…何があったか分からないけど、あたしはそういうときもあっていいと思うよ。」

おばさんは楽しそうに続けた。