ドアを開けると、慎也んちの母親がいた。


「おばさん?」

「波ちゃん大丈夫なの?」

「あー、慎也から聞いたのか。大丈夫だから…」

「大丈夫じゃないわよ!」

そう言うと、おばさんは中に入る。

「キッチン貸してね!」





「はい、どうぞ。」

おばさんは、テーブルの上に作ったお粥をおいた。


「…うまっ!」

「でしょ!?波ちゃんはね、小さいころから、お粥好きだったもの!」

「へぇ…」

本当にうまい。
別にどこも悪くないのに…休んでよかった!

「ほら、慎也はバカだから風邪ひかないじゃない!?」

「自分の子どもをバカって…」

「ふふ。…だからお粥を作るときは、波ちゃんのためなの。」



おばさんはいつも暖かい。
家の母親よりお母さんだった。


「おばさんが母親だったらよかった…」

「あら!嬉しい!……でも、せっちゃんだって頑張ってたのよ。ここまで育てたのは、せっちゃんだもん。」


今は…って言いそうになった。


「こんなに波ちゃんは立派になった。」

おばさんは、俺に微笑む。