手だけが、見える。


ドキドキして聞こえそうだ。




「あっれー?慎也、顔赤いよ?」

荒谷が顔を覗きこむ。

「慎也照れてる!」

大きい声で荒谷が叫ぶ。

「照れてねーよ!」

オレは必死で否定する。

「戸野に照れてるー!!」

「本当だー!慎也くん顔真っ赤!」

それを聞いて小島も見に来る。

「みんなが大きい声出すからだって!」

「そうだぞ男子!ちゃんと寸法測ってから喋ってよ!!」

長谷部が止めに入った。


素晴らしい…長谷部。


あんなことを言うから、戸野さんまで困ってしまってる。


「ごめんね、戸野さん。」

「…いえいえ。」




終わった後、荒谷の頭をはたいた。