「荒谷がめんどくせぇこと言うからな~」

小谷がダンボールを切りながら言った。

「おいおい!俺が言わなきゃ、永遠に決まってないよ!」

文化祭まで5日間しかないオレたちは、放課後残って作業していた。
男子はお神輿作り、女子は男子の法被作りで分かれた。




「はいはーい!」

長谷部を先頭に他の女子が教室に入ってくる。

「男子のみなさん、寸法測るのでお願いしまーす!」

女子が散らばって、男子の寸法を測る。



「ごめんね、里山くん。」

オレの前に戸野さん。





え!?嘘っっ!

「戸野さんも測るの?」

「はい!…あ、手、こうやってくれます?」

戸野さんは、自分の手を広げてみせた。

「あ、はい。」

「胸囲測ります。」


戸野さんは、抱き付くように手を背中に回した。


「ちょちょちょっと待って!!??」

止まる。

「前だとちょっと!…後ろから回した方がいいかも…」

「そうですかね。」

そして、後ろに行って測る。