今日は…疲れた…



部屋のドアが開き、慎也が入ってくる。

「あんな言い方ねーだろ!」

「……いろいろあんだよ。お前には分かんない。」

「いろいろって?」

「言えない。」

「言わなきゃ分かんないの、当然だろ。」

「だから言わない。…疲れてんの。出てってくれる?」

「……友達って誰?……徳田とか小林に電話したけど、花火んとき帰ったって言ってた。」

「…クラスのやつだよ…」

「花火見た後、そのまま泊まったん?」

「そう…」

「でもオレ、帰ってくるとき波にすれ違ったよ…気付いてなかったんだ…」

見られていたことに少し動揺して黙ってしまった。

「…後とう…」

困ったときの後藤。

「後藤の家は反対方向じゃん。」

ヤバイ…

「…戸野さんのとこ?」

勘が鋭い…コイツ。

「…なんで戸野が出てくんの?お前いっつもそう。」

「だって!…この前、送ってたし…」

「戸野は関係ねーよ!…一人でいた、一人で遊んだ。はい、終わり!」

「一人?…波、なんか悩んでんの?」

「そう。今悩むから、出てけ。」


キツく言うと、慎也は部屋から出て行った。