涙はクレープを食べ終わると満足気な顔をしていた。


「もうすぐ獅子舞あるけどまだ30分以上あるみたいだからまだどっか回ってる?」

「うん、回る回るーっ」


僕は模擬店に目をやった。


「あ、ねえ涙」

「んー?」

「籤引きあるよ」

「おー、久しぶりだねー籤引きとか」

「ちょっとやってみるよ」

「私もーっ」


10メートルほど先にある籤引き屋に僕達は向かった。

籤引きなんていつ振りだろう。

小さい頃、友達と一緒に引いたけどほとんどハズレだったな。


「すいません、2回分お願いします」


お金と引き換えに籤を引かせてもらった。

二人同時に紙を開く。


「えっと、僕が4等で・・・涙は・・・ハズレ・・・」


僕が吹きだし笑うと涙は拗ねたような表情を見せた。