ベンチに座るなり待ってましたとクレープを頬張る涙。


「うまい?」


そんな涙を僕は眺める。


「んー、じゃあ"あー"して?」


涙が大きく口を広げる。

これは僕に口を開けろというサインだ。

僕が言われるがまま口を開けた。


「・・・ぁ」

「はいっ」


すると口の中に何かが入ってきた。

特徴のあるチョコレートの味がした。

口を閉じて涙を見ると涙は悪戯ぽく笑った。


「おいしい?」


涙のその問いかけに僕はコクリと頷いた。