「て、ことでー、空希も椎葉さんが好きー!」


亮輔の意味不明なその言葉に僕は少しカっとなり亮輔の肩を一発だけ殴った。


「いって、ひでー」

「今のは亮輔が悪いだろう」


時耶も今の亮輔の悪ふざけに注意をする。


「でも本当のことだろ?」

「・・・っ」


こっちを見て言う亮輔にちょっと動揺してしまった。


「ち、ちが・・・う・・・の、かな・・・?」


だんだん自分にも自信がなくなってきた。

僕の好きな人は・・・、


「空希ー!」


すると急に教室のドアの方から僕の名前を呼ぶ声がした。

その声にはっと我に帰る。

ドアの方を見てみるとそこには憲太の姿があった。

少し憲太の影に隠れている人陰も見えた。