「おっまえ、最低だなー」


時耶は亮輔に苦笑しながらそう言った。


「だってべつに彼女とかじゃねーし」
「俺は彼女にした覚えねーし~」


亮輔は自分の弁当箱を僕の机に広げる。

僕、時耶、亮輔の弁当が広がった机はもうスペースがない。


「そーいや、空希は椎葉さんとどうなの?」


亮輔が急な質問を僕に投げ掛ける。

すると時耶も興味津々に僕の方を見てくる。


「は、はぁ・・・!?」

「おー、なかなかいい反応ですな」

「え、空希と椎葉さんてそんな関係だったの?」


時耶と亮輔は僕の反応を楽しがる。

こういうときは本当に苛々する。


「やめろって、そんなんじゃない・・・!」

「はたから見てると好きなんかと思ってたけどなー」


亮輔のその言葉に変に反応してしまった。


「そんな・・・え、はたから見て分かんの?」

「はたからの方が分かんじゃね?」
「ほら、前田も平塚さんと付き合う前、もうみんな前田が平塚さんのこと好きって分かってたじゃん」
「あれべつに本人がみんなに平塚さんが好きって言ったわけでもねーし?」

「まあ・・・確かに・・・」


と、ついつい納得してしまった。

でも僕には分からない。

僕は涙が好きなんだろうか?