それにしても、あいつは零央のことがわからないのか?


もしかしてあれは…


「記憶喪失かもな」


俺が思っていたことを零央が繋いだ


「君があの子を助けてくれた少年かね?」


医者が俺達に話し掛けた


零央は、ただ黙ってコクリと頷く


「そうか…事情を説明してあげるから、少し着いてきなさい」


言われるがままに俺達はついていき、小さな個室へと連れて行かれた