「……葉月先輩、これ。」



そう言って、理久はあたしの手のひらに小さな一つの、光る指輪を置いた。



「え…?これ、お母さんの……」

「うん…」

「なんで…っあるのっ…」

「なんでって…落ちてたから拾っといた。」



こんな砂浜で、指輪が落ちてるわけないじゃん…




「……っだから…膝に砂、ついてる…」

「いや、それは~…ほらっ!組み体操の練習してただけで……って先輩!?」

「……っ…ひっく…」



…下手なうそ。ほんとは…一生懸命、探してくれてたくせに…



「先輩!ど、ど、どうしたの?」

「………好き。」

「え……?」

「……っ会ったばっかだけどっ……キスから始まった恋なのかもしれないけど……っそんなの関係ないくらいに好き…………理久の事が大好きなの…っ!!」



言っちゃだめだと思ってても気づいた時にはもう、自分の気持ちを口にだしていた。



「葉月先輩……それ以上、俺のこと困らせないで…」

「………っ」