「なにしてんの?二人で?」
「ううん。別にっ…中西先輩、じゃあ…」
そう言ってその子は教室の中に入っていった。
「で?葉月先輩は何してんの?」
「いや…タオル返そうと…思って。…はい、ありがと。」
そう言いながら理久にタオルを手渡す。
「あーどういたしまして。」
「………」
やばい…顔が全然見れない。
そう思いながら理久の腕に目線を落とす。
「先輩、風邪ひかなかった?」
「うん…。」
「そっか。なら良かった。」
「あれ?理久、その腕の傷…」
「あーこれ?前の体育の時間にさ、すりむいた。」
「だめだよ、消毒しなきゃ!!」
「でも、次着がえなきゃだし。」
「じゃあ、とりあえずバンソーコー張らなきゃ!!あたし持ってるから……って、あれ?」
「先輩?どうしたの?」
「ない…っお母さんの形見が…!」