「…葉月先輩、実はさ……」
「ん?なに?」
「……いや、やっぱ何でもない。」
「何?変なの。」
「…そろそろ、かな。」
「え?なに…が………わぁ!!すごい!」
「蛍。すごい珍しくてさ。この次期、この海でしか見られないらしいっすよ。」
「へぇ…すごい…」
そのとき見た、海に反射してる蛍の光は…すごく…綺麗で…幻想的だった。
「ど?気に入った?」
「うんっ!!こんなすごい場所に連れてきてくれてありがと!!」
そう言って理久の顔を見た時、暗闇の中でふと目が合った。
「…………?」
「先輩………」
次の瞬間、理久の顔があたしに…近づいてくる。
「理久……」
目をそらそうとしても、そらせないこの感覚。
一回目のキスの時もそうだった。まるで、運命に…引き寄せられるかのように……
「…………」