「なんでここにいる。お前とは終わったはずだろう」


バスローブをまとい、濡れた髪で現れた慎司は色っぽかったが、それと同時にとてつもない怖さも放っていた。


それでも女は慎司にしがみつく。


「慎司。こんな子に物珍しさを感じるのも分かるわ。でも慎司が遊ぶ相手はもっと…」


慎司はしがみついてる女性を乱暴に横に押しやると私に近づいてきた。


「何をされた?頬に傷がついてる…」


そっと触れた指先は優しく頬をなでた。


「慎司!!!そんな女のどこがいいのよ!キャバクラで働いて男性を騙すような女のどこが!!」


乱暴に押しやられたショックをうけていた。


「うるさい。お前には関係ない。美空を侮辱すると許さない…」


静かに響く慎司の声は冷たく、この場の空気を凍らすのではないかと思うくらいだった。


なぜそんな女なの?もっとお金持ちでお嬢様ならこんな絶望を味合わずにすんだのに…まだ愛しているのに…許せない…


涙が頬をつたっていった。


「許さないですって…笑わせないでよ!慎司、絶対にあなたを私のものにするから!絶対に許さないから!その女も!」


踵を返して飛び出していった。もう、部屋にははいれないだろう…登録を変えるはずだから。


寂しさと怒りで部屋をあとにした。