「何がどうしようなんだ?」


「キャー!!」


左手に持っていたトマトを落とし、慎司の足下に転がっていく。


慎司はトマトを拾い、美空が何をしようとしていたか想像がついた。


「朝食を作ろうと?」


「ビックリしたぁ。いきなり声かけないでよ」
 

「アハハハハ、ごめんごめん。ガサガサ音がしたもんだから。おはよう」


朝から慎司さんの笑顔は爽やかすぎる…


「お、おはよう…」


慎司さんは私の手では無理だろうと、洗面所で顔を洗い歯磨きを済ませると朝食を作り出した。


「こんなもんでいいかな。じゃ、お皿運んで朝食にでもしようか」


材料もなかったため目玉焼きと生野菜、フレンチトーストの朝食が並んだ。


「7時から朝食なんて健康的だな。久しぶりだ」


そういいながら嬉しそうに食べ始まった。


「慎司さん?今日は予定はあるの?」


食べながら聞いてみた。


「あるよ。今日は美空と一日ゆっくり過ごす」


ニッコリ笑いかけられ私までも笑顔になった。


私も今日は祭日のため仕事は休みだった。


「行きたい場所あるかい?初デートだからな」


「特別ないけど…それより慎司さんってそんな話し方だったけ?昨日から思ってたんだけど…」


「あー、美空を患者じゃなく、彼女としてみてるから。スイッチが切り替わったのかな、アハハハ」


「そうなんだ、クスクス」


幸せな朝の一時。


壊れないでほしい…


出来るならもう少しだけでも続いて欲しい…


永遠なんて無理だとしても…