ホッとした。ちゃんとした検査をしなくてはならないが悪くはなっていない。


それに、仲直り以上の仲になれたこと、これからは遠慮せずに美空に近づけること、来て良かった…そう感じていた。


そう感じるのはいいが自分の独占欲の強さにも驚かされる。
 

病院に行くほどの怪我を負っているにも関わらず、我慢して自分で処置をする美空を目の届かない場所に置いておくのが嫌だった。


「美空、一緒に暮らさないか?」


思わず口に出していた。 


「えっ?何を言ってるの?」


意味が分からないと言う顔をしている。


「いや、なんだかこんな怪我をしても病院にもいかないし検診にもこない。側にいないと何するか…」


「アハハハハ、やだ慎司さん。私子供じゃないよ。それに、ちゃんと病院にはいきます。大丈夫だから」


微笑む美空にこの笑顔には勝てないとつくづく思っていた。


「そうか。じゃ、約束。何かあればちゃんと報告すること。無理も我慢もしないこと。いい?



「うん」


穏やかな空気が流れ、お互いに見つめ合いながら笑いあっていた。


それからは近況報告をしあい、美空が二週間で職場復帰した事には眉をしかめた慎司だったが、二人の気持ちを確かめ合うのには十分だった。