案の定熱を出していた。


顔を真っ赤にしうなされてる美空。


熱を計れば38.8℃。


病院に連れて行けば早いが、この前のナースの件もある。


美空が嫌な思いをするのは耐えられない。


慎司は著名人の主治医でもあるため、往診もする。


その往診バックから解熱剤効果のある点滴をだした。


「美空…」


「う~ん…」


「大丈夫…直ぐに楽になるから…大丈夫…」


「う~ん…ママ…」


慎司は美空の母親とのやりとりを思い出した。怒りで震えそうになるが、目の前の美空を見るとそれどころではないことに気が付く。


「大丈夫だよ。ここにいる。ズット側にいるから、美空…」


美空の瞳から涙が流れるのをソッと指で拭った。


「美空…」


慎司はベッドに入り美空を抱きしめた。


朝になったら雷が落ちそうだ…


それはそれで慎司は楽しんでいた。