扉を閉めた後慎司は浮かない顔つきになった。


美空がなんであんな場所に居たのかが気になっていた。


確かあそこの坂を上れば墓地がある。


美空のことはほとんど知らない。


今更ながらにその事に気が付き、聞きたい衝動を必死に押さえていた。


あっ、洗濯…


と言っても自分か畳んで渡したら逆鱗に触れそうだな…


苦笑いをしつつ、明日起きたら自分で取りに行かせよう。乾燥までセットしてあるから乾いてるはずだ。


司はコーヒーをセットし溜まっている仕事に取り掛かりだした。


勿論、隣で寝てる美空のことは気にはなるが、何かをしていないと寝室に向かってしまいそうだったから。




美空はなかなか寝付けないでいた。身体が熱いのもあるが、ここが慎司のベッドだと思うと落ち着かなかった。


いきなり名前で呼べとか、からかってきたりだとか…友達なら当たり前のことなのかもしれないが、そんなに男性に免疫があるわけでもなかった。


キャバクラで働いていてもそれは仕事。上辺だけでしかない。


慎司さん…いったいなんだろう…このモヤモヤした気持ちは…


熱が出てきたからかなぁ…慎司さんに言った方がいいのかなぁ…


段々と瞼が重くなってきていつの間にか眠りについていた。