「ほら、いこう。それともお姫様抱っこがいいかい?」


ニヤニヤ笑う先生が悪魔に見える一瞬。


「自分で歩けます!」


足をベッドから下ろすと自分の姿に驚いた。


「服…服が…かわってる…」


今着てるのは男性者のTシャツで…


下は…何にも履いていなく…


「えっ???えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


勢いよくベッドに戻り布団を被る。


ちょっと、ちょっと、ちょっと待ってよー!


下着も付けてない…裸も同然で…


これって…これって…先生が着替えさせてくれた???


ダメ!!怖くて聞けない!!




布団の中で一人ブツブツ言ってる美空に星野は困り果てていた。


あの時は体調が気になり何にも気にせずに着替えさせてしまった。


当然みないように努力はしたが…そこは自分も男で…


いや、倒れていたのもあり外傷を調べる意味もあって…


完全なる言い訳だな…


「み、美空ちゃん?…」


「………………」


「あの、その、ごめん!あの時は身体の方が心配で…それで…着替えさせちゃって…濡れてるの着てても身体には良くないし…地面に倒れてたし…一応医者だし…」


「もういいです!!!!もう言わないで!!!先生の言葉は分かったから!それに……こうなったのも私が悪いんだし…」


モゾモゾと布団の中で動く美空だったが、やっと顔を出してくれた。


「本当にごめん…」


頭を下げる先生を見てると何だか私が罪悪感に苦しめられる。


「あの、もういいから…でも今のこの状態で…その…布団からは…出れないわけで…」


星野はやっと気が付いたのか、食事は運んでくると言い残し急いで部屋を出ていった。