目を開ければ地面が目の前…


起きあがろうとするも体が動かない。


「ハア…ヤバいよね…」


朦朧とする意識を無理に取り戻して、落ちようとする瞼を無理に開けた。


あれ?誰かくる?


ボヤケた姿が段々とハッキリしてきた。


星野先生?


「…ちゃん!!美空ちゃん!!!」


傘を放り出して駆け寄ってくる。


「美空ちゃん!美空!!!」


そっと抱き寄せて私の頬を軽くたたいた。


「星野…先生??あっ…先生まで…濡れちゃった…風邪…ひくよ…」


そっと伸ばした手を星野は握りかえした。


「俺はいいから!まったく!なんでこんな事に…」


ヒョイと私を横抱きにし、自分が来ていたスーツをかけてくれた。


「濡れてるけどないよりはマシだ」


先生怒ってる?言葉遣いが荒い。


「ごめんなさい…」


そう呟いたのが最後、意識を手放した。