「さてと、帰るか」


立ち上がって服の砂を払った。


涙に濡れた顔もハンカチでふき直す。


忘れよう。


私は今を生きるんだから。


頭を切り替えて仕事の事を考え出した。


昼間は小さな印刷会社の事務員。


夜はキャバクラ嬢。


もちろん会社には秘密にしてある。


でも、年も誤魔化してるしそろそろ潮時と考えていた。


今日で辞める事をお店に伝える決心もついている。


今まで二年間、不幸中の幸い…とは言わないだろうけど、童顔だし身長も155㎝しかないから23歳で通ってた。


これでもナンバーワンだった。