一階の受付にいくと人で溢れかえっていた。


世の中にこんなに病院を必要とする人達がいるんだ…


今まで病院とは無縁だったため初めて見る光景に足が止まる。


明らかに怪我をして包帯を巻かれてる人、具合が悪そうに俯いてる人、元気に走り回ってる子供…


病院って凄い…この人達を治せるお医者さんに看病しつつ医者のサポートをするナース…


改めて星野先生も朝のナース達にも感謝した。


朝のことは怒ってなどいないし、自分が招いたこと。忘れよう…この一週間の事は忘れよう…


気持ち新たに会計を済ませ病院の入り口へと足を運ぼうとしたとき後ろから腕を捕まれた。


その、勢いで後ろを振り向くと肩で息をする星野先生。


「ハア…ハア…み、美空、ちゃん…ハア…ハア」


「せ、先生?」


いきなり現れた先生にもビックリしたけど、何でそんなに息切らしてるのかさっぱり分からない。


「どうしたの?そんなに息きらして…」


「あのね…ハア…ハア…とりあえずきて…」


そう言って私の手をひく。


患者さんはもちろん、すれ違うナース達も不思議そうな顔で見つめてくる。


「ちょっと、先生。星野先生!なに?私ちゃんと会計も…」


「いいから黙ってついてきて!」


初めてきく先生の強い口調に黙るしかなく、ただ連れて行かれるまま身を任せた。