気がつくと砂の山にトンネルを作り、


私は、泣いていた。


「バッカみたい…あれからどれくらい経ったのよ」


砂だらけの手にもかかわらず手で涙を拭う。


高校を卒業と同時に家を飛び出した為母の生死も知らない。


知らなくていい。


私は捨てられたんじゃない、捨ててやったんだから。


いつの間にか誰もいない海岸は風が冷たくなってきていた。