ピッ、ピッ、ピッ…


うるさい…何この音。


あっ、さっきの鼻につく薬品の臭い。


なんだか、目を開けなきゃならない様な気がする。


でも起きたくない。ものすごく会いたかった人に会ったばかりだから。


それでも、私の体は心に反して目を開ける方を選んでいる。


涙が目のはしから耳に落ちていく感覚。


不思議と悲しい涙じゃなくて、温かさを感じる涙の様な気がした。


なんとかまた夢の世界にいきたいと願っていると、隣から優しくて温かい声。


「麗子さん、目が覚めましたね」


声がした方を見ると、ニコヤかに白衣をきた男性が座っていた。


へっ???


あれ?てか、誰この人…


辺りを見渡してみた。どこもかしこも真っ白で、訳のわからない機械がある。


「まさか病院?」