お店の入り口のドアを開けて思い切り伸びをした。


「気持ちいいー。もう終わり。さいっこー☆」


叫んでる私に目を向ける人は数人の酔っ払い意外は誰もいない。


足取りも軽く家路に向かって歩いていた。




ドクン!




えっ???




内側から思い切り心臓を叩かれたよう一発。


私は思わずうずくまってしまった。


「なに?…くっ、苦しい…」


息も荒くなり意識が遠のく感じ。


その場に倒れてしまった。


周りは格好からして酔っぱらいとしか思わないだろう。


野垂れ死に?


何人もの人は素通り…


皆冷たいの…


知ってるけど…涙が流れた。


すると足早に駆けてくる足音。


「君!?どうしたの?胸が苦しいの!?」


ソッと肩を抱く人。


誰?


やっとの事で目を開けると、そこには1人の男性。


サラサラの髪が目に少し掛かって、後ろで光ってるネオンが男性のオーラに見えた。


私…死ぬのかなぁ…


まあ、いいか、楽しくもない人生だったし…


あっ、どうせなら200万…パァッと使いたかったなぁ…


男性の顔が消えていく。


「しっかりして!!ダメだ……これは……」


何?これは?


「星野、どうした?あれ?この子…麗子ちゃん…」


もう1人私を麗子と呼ぶ声。


私もうその名前捨てたんだけどなぁ…


そのまま私は意識を手放した。