その言葉から悩み続けていた慎司さん。


最初は笑っていた私も段々気の毒になりフォローするが、全然話を聞いてくれないまま旅行当日を迎える結果になってしまった。


その日も朝から荷物をキャリーバックに積めながら横で支度をしている慎司をみる。


一泊の旅行なのに下着を何組も入れてる…


恐る恐る声をかけてみる。


「しっ、慎司さん?下着いれすぎじゃない?」


「へっ?????」


「へっ?…」


慎司のスットンキョンな声を聞いて私は笑いが止まらなくなり


今こうして車の中でお腹を抱えて笑っている始末。


「美空ぅ~、もういい加減笑うのやめてくれないか?」


呆れた顔を向けてくる慎司だが、その表情は穏やかそのものだった。


慎司は無邪気に笑う美空に、笑い過ぎとは思っても愛おしさを感じずにはいられなかった。


都会の景色から自然豊かな景色へ、笑い転げていた顔からにこやかな顔へ、穏やかな空気の車内。


これ以上の幸せはあるのだろうか?


美空を失う怖さを慎司は改めて感じていた。


「美空?道の駅で休憩でもする?」


「うん!!」


満面の笑顔で慎司を見る美空の顔は子供そののだった。


「クスクスクス、美空子供みたいだ」


「だって、本当に楽しいし嬉しいんだもん!」


車はユックリと道の駅にはいり、ご当地特製のソフトクリームを食べ20分程度の休憩でまた走り出した。