「旅行?!」


「あぁ。3日だから遠くへは行けないけど近場でも良いところはあるし」


ニッコリ笑う慎司の顔は朝日を浴びて、どこかの王子様に見えた。


私はせいぜい召使いって言った所か。


「嬉しくない?やっぱり海外とか行きたかった?」


私は頭を思い切り横に振った。


「違うの。旅行って言うからビックリして…」


私も精一杯の笑顔を見せ


「すごーーーーーく嬉しい!!」


そう言って慎司に抱きついた。


「アハハハハ、喜んでもらって良かった。近場はイヤ!と駄々こねられるかと思ったよ」


この笑顔が大好き。


クシャっと西端な顔が崩れるところが。


そっと私のオデコにキスする仕草も…


こんなに好きになっていいのかなぁ。


「ほら!また考えてる!何かあるなら言って欲しい。俺が直さなきゃならないところなら直すよう努力する。だから一人で抱えるな」


顔をのぞき込んできた。


直して欲しいところ何てない。全て完璧で私にはもったいないくらいの優しさ。


木下さんにもこんなに優しかったの?


変な焼き餅が沸々と沸いてきた。


「本当?本当に直してくれる?」


「なんだ?!俺何か変か?!完璧にやってきたつもりなんだけど…」


また鼻の頭掻いてる、癖なんだなぁ。


「クスクス、変だよ!慎司さん!完璧すぎて本当はロボットなんじゃないかと思う!だから!その完璧直して!!」