その言葉に怒りが頂点に達したのか頬を叩いてきた。


パチン!!


少しヨロケたが左頬を押さえながら木下を睨んだ。


「何よ!その目!それがあんたの本性なんでしょう!あー、もう本当低レベルな女の目だわ!体でも使ったの?!」


そう言われて私も黙ってることが出来なかった。


「そんなに慎司さんの事好きならちゃんと捕まえて置けば良かったじゃない!それに慎司さんはあなたとはもう関係ないと言った。私はその言葉を信じてる。たとえ一時の遊びだとしても構わない」


「なんですって!!私と慎司の事なんて知らないくせに!私たち婚約もしていたのよ!将来を誓い合っていたの!絶対に慎司を取り戻すから。あんたの事も許さないから!せいぜい遊びの女として慎司を満足させる事ね!」


そう言って倉庫から出ていった。


一気に肩の力が抜け、フラフラと床に座り込んでしまった。


出てくるのは涙で、悲しいのか悔しいのか、それとも叩かれた頬が痛いのか…


何故か涙が止まらず暫く薄暗い倉庫にいるしかなかった。