なんの会話もなく食事はすすみ、私が残そうとすると「残さず食べろ」その一言だけだった。


あっという間に片づけも終わり、慎司はスーツ姿に身を包んでいた。


「予約は入れとく。午後からの診察になるけど、仕事は休んで病院にくるんだ。いいな?」


ソファーに座っている私の目の高さになるようにしゃがみながら話す。


「慎司さん…私、本当になんでもないから…」


「美空。一度検査しておけばあとは安心だろう?せっかくの二人の生活が始まるんだ。そのためにも今日はちゃんと来て欲しい」


そう言われると弱い…


でもあまり休んでて首になったらと思うと…


そんな私の心情を察したのか慎司は


「もし会社が心配ならいくらでも診断書を書いてやる。だから今日はちゃんと来て欲しい」


言葉尻は懇願してるようにも聞こえ、おもわず
頷いていた。


そんな私の反応を見て安心したのか慎司は病院へと向かう。


残された私は暫くボォーッとしていた。


「職場に電話…憂鬱だなぁ…」


携帯を見つめながら呟いたものの、連絡はいれなきゃならない。


意を決して連絡してみればなーんてことなく休めてしまった。


精神的に楽になり、仕度を始めることにした。