慎司から受けたキスに頭が真っ白になった。


軽いキスは受けたことがあるが、今日のは…


慎司の気持ちが伝わってくる。


心の奥から暖かさがこみ上げてきた。


そっと離れた慎司は美空の顔を両手で包み込んだ。


「おかしいだろう…実空が相手だと臆病になる。キス一つでも嫌われてしまうようで…今も美空がどう思ってるか気になって仕方がない…」


少し掠れた声で話す慎司の顔は不安で仕方なさそうだった。


「私は…嬉しいよ…求められたことなんてなかったから…」


恥ずかしさのあまり目を反らしたが、そっと顔の向きを変えられ、慎司と目があった。


「赤い顔して俯く美空も、俺をからかって笑う美空も、泣き虫で怒りんぼうな美空も…誰にも見せたくないな…俺だけの美空…」


今度は激しく唇を奪う。


「んっ……」


ほんの少しの美空の反応さえも俺の思考を奪う。


美空は俺にとって麻薬だな…


そっと美空を横抱きにし寝室へと向かう。


腕を通して美空の脈が伝わってくる。


それさえも欲望をかきたてられ、寝室までの短い距離が永遠の長さにさえ思えてきた。


そっとベッドに下ろすし、美空を見下ろすと戸惑う美空と目が合う。


「嫌なら嫌と言って欲しい。無理には…やらない…」


嫌なんかじゃない。私の全てが慎司のものになりたかった。


頭を振り慎司に伝えた。


「私の全てを…慎司さんに…こんな私でよければ…」