「子供用といってもちゃんと泡がでるんだ。まあ、味は…ジュースだけどね」


冷蔵庫から果物を出して並べ始めた。


「夕飯作ってるときは果物なんて入ってなかったのに…」


「魔法使いなんだ、俺は。クスクス 」


グラスを手渡されワイン…もといグレープジュースをついでくれる。


慎司のグラスには私がついだ。


「今日から楽しく仲良くやっていこう…乾杯」


「うん。よろしくね…乾杯」


濃厚だけどサラッとのど越しを通る飲み物は、ホッと一息をつかせるものだった。


「美空、これからは遠慮なく何でも言って欲しい」


「うん。ありがとう…」


ニッコリ微笑んだ。


慎司は身体が疼くのを覚えたがグッと堪えた。獣にはないたくない。


それからは色んな事を話した。


美空はホラーやアクションものの映画が好きでスポーツ観戦もスッキリすると言っていた。


慎司はもうバレているがゲームとか読書が好き。たまにテニスをやるがつきあい程度。


お互いがお互いの趣味や動向に笑っていた。


人は見掛けよらないと…


「慎司さん!!今度富士急ハイランドにいこう?お化け屋敷とかジェットコースター!たまには大声出すのも気持ちいいもんだし」


「げっ!お化け屋敷は…いかなくても…あー!!美空もまだ本調子じゃないんだから…」


ジーッと見つめてくる美空の目が怖い…何か企んでいるような…