本当ならユックリと入っていたかったが、仕事をしてきた慎司がまだ入ってないのを考えると、そそくさと烏の行水の如く早々と上がってしまった。


案の定、烏みたいだ!と笑われたがそのまま慎司もお風呂へと消えていった。


私は家から持ってきたパジャマに着替えソファーに座っているものの…なんだか居心地が悪い。


今更ながらに同棲を承諾してしまった事への後悔が押し寄せてくる。


住む世界が違う…


夜景を眺めながらそんなことを考えてた。


「また良からぬ事を考えてるな」


声の主を見ようと振り返ると上半身裸の慎司。


「キャッ!!!上着着てよ!!」


下はスラックスを履いていただけマシだが…


「男なんだから隠すことないだろう?」


ぶつくさ言ってるものの薄手のTシャツを着てくれた。


初めて慎司の男らしさを目の当たりにしたきがする。


今までは意識したこともなかったが、しっかりと筋肉がつき、頼もしい上半身だった。


あの一瞬で観察できてしまう自分にも嫌悪感が生まれるが…


「美空座って。乾杯しよう」


そう言って冷蔵庫から出してきたのは…


子供ビールとグレープジュース…


「俺も今日は飲めないし美空もまだアルコールはやめたほうがいい…でも気分は味わいたろう?だから…これにした」


ニコニコ話す慎司は面白い物を見つけたかのように楽しそうだった。