ついておいで、と清川さんに手を引かれてわたしは歩いた。

「ところで、今日のワンピース可愛いね。どうしたの?」

「……これは、新野さんがくれました。プレゼント、と言っていました。でも、プレゼントは特別な時にもらうものですよね? わたし、特別なことなんてないのに」

 わたしが話すと清川さんはくすくすと笑った。

「どうしました?」

「いや、頑張るなと思ってさ。新野は君に似合うと思ったからプレゼントしたんだろうね」

「似合うと思うとプレゼントしてくれるんですか?」

 清川さんはうーん、と首を傾げた。

「どう言ったら伝わるかな? これはまた難しいね。新野は君と仲良くなりたいんだよ。これでわかるかな?」

「仲良く、ですか?」

「そう。仲良く。珠理ちゃんとお喋りしたり、こうして手を繋いだり、とにかく仲良くなりたいんだよ」

 清川さんの言っていることがよくわからなくてわたしは首を捻った。

「……わかりません」

「そのうちわかるよ、きっと」

 わたしは清川さんの手を強く握った。

「……これは、まだまだ先、かな」

 小さく呟く清川さんの声が聞こえた。