目を覚ますと、時計を見た。八時五分前。いつもと同じ時間。
そのまま部屋を出て洗面所へと向かう。
そうだ、今までと違うんだ。
顔を洗いながら思い出した。
「おはよう」
リビングへと行くと、七斗くんがソファに座ってテレビを観ていた。
「おはようございます」
「食事は食堂ね」
「はい」
わたしは部屋へと戻るとパジャマから着替えて食堂へと向かった。
水曜日の朝はパンケーキとサラダ。
「おはよう、珠理ちゃん」
トレイを運んでいると後ろから声がした。
「おはようございます。清川さん」
清川さんはにっこりと笑った。
「めずらしいです」
わたしが言うと、清川さんはん、と返してきた。
「清川さんが食堂にいるの、めずらしいです」
「ああ、そうだね。ほら、前に珠理ちゃんが水曜日の朝のパンケーキは美味しいって言っていたから気になったんだ」
「はい、美味しいですよ」
わたしが答えると清川さんは微笑んだ。
「七斗との生活はどう?」
目の前に清川さんが座る。
「えっと……、何もないです。今までの生活の中に七斗くんがいる感じです」
「そう。後で報告書を取りに行くよ」
「はい」