きっと、君に会ったら、沢山問い詰めて、
そして、事情も省みないで、すがりついてしまう。
「……っ陽平……」
掠れた呟きはどこにも届くことはなく、祭りの喧騒の中に溶けて消えた。
……やっぱり、浴衣で一人で来てるようなのは私しかいなくて。
覚悟はしてたけど、少し情けない。
時々、周りから変な視線を向けられることもあり。
私は、人波をくぐり抜けて、逃げるように、屋台群をあとにした。
……本当は、去年みたいに一つ一つ周りたかったんだけど。
この人混みを器用に抜ける術は私にはないし。
……陽平は、すごかったな。
何でもなさそうな顔で人混みを歩き、鈍くさい私がぶつからないように、さりげなく守ってくれていた。
……それに。
これ以上、去年のことを繰り返すのは……もう、限界だよ。