それから、何も進展がないまま、時間は過ぎて。



麻奈のアドバイスで、他の人を好きになろうと努力したりしたけれど。



そう言う候補になる人は皆、どこか陽平に似ている人で。



バスケ部の人だったり、笑い方が犬っぽかったり。




どうしても、思い出すのは陽平のことばかりで……、かえって苦しくなって、それは止めた。




どんなに忘れようとしても、陽平の面影を求めてしまう。




もともとそんなに男の子と関わる方じゃないし、私の一番は陽平だから……、他の人を見ることが出来なかった。






……そう言えば、陽平は私の初めての恋だったなぁ、とか、今更思ったり。




未練がましい自分に呆れたり。





それでも、こんなに苦しいのは今のうちだけで、そのうち時間が忘れさせてくれる、そんな事を思っていた。







──実際、忙しかったのもあり、陽平を思い出す頻度はだんだん減っていって。





もう忘れられた、と、そう思っていたんだ。





そして私は進級し、高校二年生になり。






──また、夏がやってきた。