歩き出して、ふと気になって、後ろを振り向く。 そこには、さっきの場所から一歩も動かず、こちらを見つめている陽平の姿が……。 目が合うと、大きく腕を振ってくる。 陽平……。 恥ずかしい、とか思いつつ、嬉しいと感じてしまったりして……。 私は、ユルむ頬を抑えながら、小さく手を振り返して、前に向き直した。 それが、最後に陽平の姿を見た瞬間だった。