そう言って差し出される手を見て、私は今さらながら、さっきの事を思い出した。
ここっ、告白されたんだった……!
そう言えば花火に気をとられて忘れちゃってたけど、これって返事しなきゃいけないってあれだよね?
またまた赤面しながら、私は慌てて陽平の手をとる。
「あ、葉月、たこ焼き残ってる」
陽平が、私が座っていた場所を指差す。
あ、たこ焼き、結局一つしか食べてなかったんだ。
……うーん、仕方ないから家に持って帰るとしよう。
私がたこ焼きのパックを拾ったのを確認すると、陽平はゆっくり歩き出した。
「なんか帰る前に行きたい店、ある?」
「ううん、ない」
「そっか」
そのまま、会話もなくなり黙って歩き続ける。