*   *   *





「これをもちまして、辻子海岸花火大会を終了いたします」





どこかに取り付けられたスピーカーから、そんな声がする。





そう言えば駅の方向に歩いてる人が多いなあとぼんやり思う。





「……葉月?大丈夫?」




ずっと隣にいた陽平が、花火が終わっても空を見上げ続ける私を見て言った。




「……うん、大丈夫……!」





「感動した?」




まだまだ興奮冷めやらぬといった様子の私に、陽平は嬉しそうに言う。




「うん!」




「そっか、良かった」






「誘ってくれて、ありがとう!」






「……じゃ、帰ろっか」