私たちはとりあえず道端に浅く腰かけて、買ってきたたこ焼きやら焼きそばを食べることにした。
パックを開けると、美味しそうなソースの匂いが鼻孔をくすぐる。
「うまそー」
陽平がそう言いながら、焼きそばを一口食べた。
私も、たこ焼きを一つ楊枝で刺して、そっと口に運ぶ。
「……んん、熱い……」
すぐに口の中に広がったのは、焼けたソースの香ばしい香りより先に、その熱さ。
はふはふしながらどうにか一個食べ終えると、その様子をじっと見ていた陽平と目が合う。
「大丈夫?」
「うっ、うん……」
あーやだ、なんか恥ずかしい。
「めっちゃ熱そう」
私とたこ焼きを交互に見て、陽平が言う。
「熱いよ?」
「じゃあこれで冷やして」
そう言って、陽平が私の口の中に何かを突っ込む。
その瞬間、今度はキーンとする冷たさと甘いいちご味が広がる。
わけがわからぬまま目を白黒させると、そこにはかき氷のスプーンを持った陽平の姿。
…………え!?
いいいい今、陽平、かき氷を私に食べさせた?
何が起きたか把握して、かき氷のいちごシロップより赤くなる私。
口をぱくぱくして、言葉にならない思いを表す。