それだけでカチコチに固まる私の手をとる陽平。




「よし、そうと決まればさっさと行こうぜ!早くしないと花火始まっちゃうから!」




え、花火まであと一時間半あるよ?





そう言おうとした私だったけど、陽平が手を繋いだまま走り出したのでやっぱりやめる。




……あの日みたいだなぁ、こうして走ってると。




陽平の手、好きだ……。




この、少し骨ばってゴツゴツした、私より大きくて温かい手に包まれていると、すごく安心できる。





こうして連れてこられたたこ焼き屋さんでたこ焼きを一パック買い。



そしたら陽平が、隣にあった焼きそばの屋台に行きたいとか言い出したのでそこでも一パック買って。



結局屋台を一つ一つゆっくり見て回り、私たちの両手はすぐ、ヨーヨーやら金魚やら、屋台の戦利品でいっぱいになった。



それはもう、存分に屋台巡りを楽しんだのである。